せどりでせっかく割安な商品を仕入れたとしても、売れなければ意味がありません。
売れやすさを考えるなら、利用客の多いサービスに出品するのが基本です。その条件にマッチするのが大手通販サイトの「アマゾン(Amazon)」でしょう。せどりを行っている人の多くがアマゾンを活用しています。
ところで、アマゾンなら何でも売れると思っていませんか?膨大なジャンルを取り扱っているアマゾンではあるものの、
「売ってはならないもの」が存在します。
「盗品や違法なもの」「不快なもの」などを出品できないルールは以前からありましたが、この程度ならアマゾンの規約を読まなくたって誰でも思いつくものですよね。
ところが、一般的に大丈夫だろうと思いがちな商品をアマゾンに出品できなくなりました。
その商品とはずばり、「新品」です。
目次
「新品」と「新品扱い」
以前のアマゾンのルールなら問題なかったものの、2017年からルールの変更に伴って新品を出品できなくなりました。
せどりを行っている人からすれば大問題です。
新品の仕入れはせどりの定番。大きな市場を持つアマゾンを使えなくなれば、せどりで儲けを出す難易度が上がってしまいます。
ただ、勘違いしないでほしいのですが、「新品」自体はアマゾンに出品できます。これは2017年のルール変更後も変わりません。
正しくは、「新品扱いとして出品できないものがある」です。
対象外のものなら新品扱いで出品できます。
一体どのようなものが「新品扱いで売れなくなったのか?」
アマゾンでせどりを行うなら、絶対に覚えておきましょう。
アマゾン「新品の出品」に対するルールの内容
出品者に対し、アマゾンでは利用規約を作っています。守ってほしいルールをまとめた文章です。その利用規約の内、コンディションガイドラインという部分に「新品の扱いについて」のルールが存在します。
内容は以下のとおりです。
「新品」として出品できない商品
以下の商品は、Amazonで「新品」として出品することはできません。
- 個人調達商品(個人事業主を除く)。
- メーカー保証がある場合、購入者がメーカーの正規販売代理店から販売された商品と同等の保証(保証期間など)を得られない商品。
- Amazon.co.jpで調達された商品(Amazonマーケットプレイスを含む)。
この3つのルールが2017年以降、新たに加わりました。1つずつ内容を見ていきましょう。
「個人調達商品」ってなんだ?
まず1つ目の規約についてです。
個人調達商品を新品として出品できない決まりになっていますが、個人調達商品の意味が分かりにくいですよね。
これは、「個人が販売している商品を仕入れた後、アマゾンに新品として出品するのを禁止する」という意味です。
「個人の立場でせどりをやっている自分が仕入れた商品だと、アマゾンでは新品扱いで売れない!?」
というわけではありません。あくまでも仕入先が個人であるか・ないかがポイントです。
個人事業主として活動している相手から仕入れたものなら大丈夫です。アマゾンに新品扱いで出品できます。
この規約に引っかかるリスクがあるとするなら、ヤフオクやメルカリなどのオークション&フリーマーケットからの仕入れですね。これらのサービスには個人事業主ではない、ごく一般の人も多数出品していますので、個人調達商品に該当します。
オークションやフリーマーケットで新品や中古品を仕入れ、アマゾンで中古扱いとして出品するなら規約違反になりません。
ただ、このルールを読んで気になるのが、「アマゾンがどうやって個人と個人事業主を分けるのか」です。
個人事業主に免許があるわけではないですし、無理やり証明するとしたら確定申告書の事業収入の部分でしょうか?証拠としては少し弱いような気がします。
たぶんですが、オークションやフリーマーケットで個人の出品者から新品を仕入れた場合、実際には中古品であったり偽物が混じっていたりするリスクが高いとアマゾンが警戒している可能性があります。
偽物を仕入れたとは知らずに、新品として出品するリスクを防止するための新しいルールなのかもしれませんね。
メーカー保証の内容が違っていたらダメ
商品を購入したものの、壊れていたり、気に入らなかったりしたときにメーカーが提示している保証を受けられるのかについてです。
アマゾンの規約違反で考えられるパターンとして、
「正規代理店ではない販売者から購入した商品の場合、メーカーは保証いたしません」
このような内容が商品のパッケージや説明書に書かれていたなら、要注意です。
メーカーまたはメーカーが認めた業者と代理店契約を結んでいない出品者は、正規代理店にはなれません。
例え新品であっても、このような保証内容の商品を仕入れた場合、アマゾンに新品として出品できなくなります。
また、保証自体は受けられても正規代理店の保証内容と少しでも違えば新品扱いとして認められず、出品できません。
アマゾンで仕入れた商品を新品扱いにできない
タイムセールやクーポンなどのおかげで、割安な商品を購入できるアマゾン。出品の場所だけでなく、仕入先としても魅力的な存在です。
ところが、2017年のルール変更によりアマゾン(Amazon.co.jp)で購入した商品を「新品扱い」で出品できなくなりました。
アマゾンのマーケットプレイスについても同じです。マーケットプレイスでせどりを行っている個人の出品者から仕入れた商品は当然ですが、仕入先の出品者がアマゾン以外の業者であっても新品扱いで売れません。
アマゾンなら大丈夫だろうと、うっかり新品の仕入れ目的で大量に購入すると、思わぬ失敗を招いてしまいます。
アマゾンを意識したせどりの仕入れ・販売の注意点
仕入先の証拠を残す
個人から仕入れたものを新品扱いで売れないなら、新品の仕入先を実店舗やネットショップに限定すれば簡単に解決します。
そこで万が一アマゾンから疑われても大丈夫なように、オークションやフリーマーケットなどで個人から購入したものではない証拠を残しておきましょう。
証拠に利用できるものとして、「領収書」や「納品書」が使えそうです。仕入先の店舗・業者名や購入した商品についてきちんと書かれているなら、「レシート」でも構いません。
個人から購入したものなら未開封でも「中古品」で出品
個人から仕入れた全ての商品を、「中古品」としてアマゾンに出品すれば大丈夫です。
せっかく新品で仕入れたものを、中古品として出品するのは気が向かないかもしれません。
そんな考え方を変えてみましょう。中古品はコンディションが良いもの、新品に近いものほど売れやすい特徴を逆に利用します。
個人から買った新品を「未開封でほぼ新品のコンディションの中古品」として出品すれば、傷やヨレ、折り目のあるライバルの中古品に比べると価値が高まります。多少高い価格で出品しても、売れる確率をぐんと上げられるでしょう。
オークションやフリマアプリに出品
個人から仕入れた商品を新品で売れないのはアマゾンです。他のサービスならアマゾンとは違ったルールの元で販売できます。
人気のヤフオクやメルカリ、ラクマなら問題ありません。絶対に新品扱いで売りたいなら、これらのサービスで出品しましょう。
とはいえ、他社サービスのルールが今後変更にならない保証などありません。各サービスの規約について、常にチェックを忘れないことが肝心です。


アマゾン以外で新品を仕入れる
商品の仕入先からアマゾンを除外しましょう。楽天市場やYahoo!ショッピング、ヨドバシカメラといった有名な通販サイトの品揃えは豊富で、アマゾンの代わりとして使えます。
ちなみに「新品扱い」ではなく「中古品」として出品するなら、アマゾンで購入した商品でも大丈夫です。
せどりでは割安な商品を求めて、いろんな店舗を仕入先にするのが基本です。仕入先をアマゾンだけにするのは良い方法とはいえません。この機会に多くの仕入れ先候補を調査しましょう。


保証内容が複雑な商品の扱いは避ける
正規代理店経由で買わないと「保証内容が厳しくなる・変わってしまう商品」はトラブルの元です。取り扱いを避けましょう。
保証内容の仕組みがイマイチわからない商品を仕入れてしまったなら、未開封の中古品として出品するのが安全です。
必ずアマゾンのルールを守ってせどりを行おう
「アマゾンにバレなければ大丈夫」などと勝手に思い込むのは危険です。ルールを無視した出品はやめましょう。
もしアマゾンにバレたら、強制的にアカウントが停止になる大きなリスクを伴います。こうなってしまえば後悔してもどうにもなりません。
基本的に購入客を最優先に考え、アマゾンは出品者に売る場所を提供します。
アマゾンのブランド・信頼を落とすような出品者は排除されるだけです。
新品と中古品の出品をうまく使い分けながらアマゾンのサービスを活用する、オークションやフリマアプリへの出品を併用するなど、工夫をしながらせどりの儲けを増やしましょう。
