「一般NISA」と「つみたてNISA」はどこが違くてどこが同じなの?

財布を持つ、ご機嫌な女性

株式や投資信託などを売ったとき、もしくは配当・分配金を受け取ったときに発生する利益が非課税になるNISA

黙っていても節税できる魅力的な口座です。

NISA 少額投資非課税制度NISA口座で投資すれば税金がお得に!メリットを学ぼう

NISAには2種類の口座があって、利用するには登場当時から存在する「一般NISA(NISA)」か2018年登場の「つみたてNISA」、いずれか一方を選ばなければなりません。

一般NISA口座とつみたてNISA口座の違いと共通する部分を以下に書いてみました。どちらを作るべきなのか、判断の材料にしてみてください。

注意
この記事でご紹介する「一般NISA」と「つみたてNISA」の仕組みや違いは2018年9月16日時点のものです。今後仕組みが変わる可能性もありますので、最新の情報を必ず確認してからの判断をおすすめします。

「一般NISA」と「つみたてNISA」を比較

まずは簡単に、2つの口座の違いを項目ごとに見てみましょう。

年間非課税枠

一般NISA 120万円
つみたてNISA 40万円

1年間でNISA口座に預けられる金融商品の上限額です。保有中の資産価値ではなく、買い付け当時の金額を基準にします。一般NISAは120万円と高く設定されています。つみたてNISAは一般NISAの3分の1、40万円にとどまります。

対象商品

一般NISA
  • 国内外株式(ETF、海外ETF、REIT、ETNも対象)
  • 単元未満株
  • 投資信託
つみたてNISA 基準を満たした投資信託のみ

NISA口座に預けられる金融商品の種類です。圧倒的に一般NISAの種類が多く、自由度が高めです。つみたてNISAは投資信託のみで、それも一部の商品に限られます(一部の証券会社に限り、ETFもつみたてNISAに対応しています)。

非課税の期限

一般NISA 最長5年間
つみたてNISA 最長20年間

保有中の金融商品に対して認められている非課税の期間です。購入した年から計算します。つみたてNISAは20年間保有できて、その期間中であれば税金が発生しません。一般NISAは5年間とかなり短めです。

口座数

一般NISA 1人1口座。開設する金融機関は1社のみ
つみたてNISA 上に同じ

一般NISA、つみたてNISAともに1人につき1口座しか持つことができません。複数の金融機関を利用していてもそのうちの1社に絞り込み、NISA口座を作るのがルールです。

期限後の扱い

一般NISA
  • 2023年までロールオーバー可能(最長2027年まで非課税で保有できる)
  • 特定口座もしくは一般口座へ移管
つみたてNISA 特定口座もしくは一般口座へ移管

非課税の期限(5年もしくは20年)が切れた後の対応です。

通常はNISA口座で保有していた期限切れの金融商品を課税口座へ移してNISAの利用を終えますが、一般NISAならロールオーバー(乗り換え)を利用できます。期限の翌年、一般NISAの非課税枠120万円に預け直して、引き続き5年間運用する感じです。

つみたてNISAだと、ロールオーバーの仕組みが使えません。

利用できる年齢

一般NISA 満20歳以上
つみたてNISA 上に同じ

口座を作れる年齢です。申し込み時点で20歳を迎えていれば、どちらの口座も作れます。

購入について

一般NISA
  • 株式やETFなら指値注文や成行注文など一般的な買い付け
  • 単元未満株による買い付け(利用できる証券会社のみ)
  • 投資信託なら金額買い付け、口数買い付け、積立買い付け
つみたてNISA 積立買い付けのみ

金融商品の買い付け方法です。一般NISAは課税口座とほとんど同じ方法を利用できます。つみたてNISAは予め決められた時期と金額で買い付けを繰り返す方法のみです。定期購入のようなものだと思ってください。

売却について

一般NISA 期限途中の売却可。消費した非課税枠は復活しない
つみたてNISA 上に同じ

どちらの口座も非課税期限を迎える前に、保有する金融商品を自由なタイミングで売って大丈夫です。但し、1年間に金融商品の買い付けで消費した非課税枠については、保有する金融商品を売っても増えません。

損益通算

一般NISA できない
つみたてNISA 上に同じ

その年に投資で利益を出した後、損失が発生して所得がマイナスになった場合、源泉徴収された税金が戻ってきます。これを損益通算と言いますが、一般NISAとつみたてNISAでマイナスの損失を出しても税金は戻ってきません。

口座開設期限

一般NISA 2023年まで受付
つみたてNISA 2037年まで受付

NISA口座の開設には期限があります。一般NISAのほうが早く受付を終えてしまうので、早めに口座開設の手続きを行いたいところです。

2つのNISA口座の異なる部分で注目したいポイント

ここでは一般NISAとつみたてNISAの違う部分について、もう少し具体的に解説します。

つみたてNISAの非課税枠が少ないことについて

非課税枠を比べてみると、つみたてNISAの上限が40万円とかなり少なめです。

とはいえ、つみたてNISAは保有できる金融商品の種類が少なく、定期購入のような積立買い付けのみ許されています。少ない金額でコツコツと購入する方法に向いていますから、40万円の枠が少なすぎるとは必ずしも言えないでしょう。

一方、定期購入でも1回の投入金額が多かったり、たくさんの種類の投資信託を買ったりするのであれば、40万円の枠が少なく感じるかもしれません。

対象商品は一般NISAが豊富

一般NISAなら、様々な投資商品を購入できます。個別株やETFなどの人気商品を課税されることなく保有したい場合、つみたてNISAでは実現不可能です。かなり大きな違いですから、口座選びの判断の重要ポイントになりそうです。

ロールオーバー(乗り換え)について

有効期限が最長5年間と短い、一般NISAのみの特権です。期限を迎えるタイミングの5年前に購入して保有中の金融商品を、引き続きNISA口座で運用したい場合に利用します。

但し、ロールオーバーした年の非課税枠を使う仕組みですから、120万円を超える資産価値のある金融商品をロールオーバーすると、その年の非課税枠を消費し切ってしまう点に注意してください。

なんとなくロールオーバーできる一般NISAにメリットがありそうですが、つみたてNISAはそもそも有効期限が最長20年間と一般NISAの4倍の長さを誇ります。あまり気にする違いではないかもしれませんね。

2つのNISA口座の共通部分で注目したいポイント

次に、一般NISAとつみたてNISAの共通部分について、注意したいところを解説してみます。

非課税枠は翌年にリセットされる

一般NISAの120万円、つみたてNISAの40万円の非課税枠は1年限りの金額です。1年間でこの金額以内で買い付けた金融商品が、非課税の対象になります。

買い付けをすればするほど非課税枠が減るものの、減るのはその年限定です。

翌年になれば再び120万円、もしくは40万円の枠に戻るので安心しましょう。これは各NISAの実施期限まで繰り返されます。

減った非課税枠は売っても戻らない

各NISA口座に保有中の金融商品は自由に売却できます。しかし、1年のうちに買い付けたNISA口座の保有商品を売ったとしても、その商品を買い付けた際に減った非課税枠は戻りません。

例えば、20万円で株式を購入して今年初めて一般NISA口座に保有すれば、非課税枠が120万円から100万円に減ります。非課税枠が100万円に減った状態のまま、翌年を迎える前に保有中の株式を売ったとしても、非課税枠は120万円に戻らず100万円のまま維持されるということです。

損益通算で税金が戻ってこない

非課税だからこそ発生してしまう、NISAが持つデメリットの一つです。場合によっては課税口座で保有するよりも損をするリスクがあります。NISAのデメリットについては別記事でもう少し細かく解説する予定です。

「一般NISA」と「つみたてNISA」どちらを選んだら良いのか?

これについてははっきりとした答えが出ません。あなたの投資スタイルに合っている方を選んでくださいとしか言いようがないからです。

いろんな金融商品で非課税の恩恵を受けたいなら、一般NISAを選ぶしかありません。つみたてNISAは制約が厳しく、積立による買い付け方法に興味がわかなければ口座を作っても意味がなくなってしまいます。

しかし、現時点で一般NISAの期限が2023年までと決められているため、2018年からだとあと5年間しか買い付けできないのが気になりますね。

責任は持てませんが…むりやり個人的な意見を言うと、今から始めるなら「つみたてNISA」を選ぶのが無難かもしれません。

一般NISAは現状だと残り期間が短く、NISAの制度とメリットを考えるなら、この間に保有資産の価値を上げる必要が出てきます。

つみたてNISAなら最長20年もの長期保有が可能です。途中で資産価値が減少することがあっても、長い目で見れば購入時よりも資産価値の上がるチャンスが訪れる可能性を期待できそうです。

株式やETFなどで5年以内(2018年中に買い付けたものならロールオーバー込みで10年以内)に資産価値を上げる自信があるなら、一般NISAを選んでみても良いでしょう。

投資の知識があまりない人なら短期的な利益を狙うよりも、投資信託を対象に少ない資金をコツコツのんびり投資できる、つみたてNISAがやりやすいと思います。