投資信託やETF等のファンドは利回りよりトータルリターンで比較する

上昇する矢印とグラフ

投資信託やETFなどのファンドを購入するとき、どんなことを考えますか?

当然、将来的にお金を儲ける目的で投資しようと思いますよね。

そのためには、儲かりそうなファンドを選び出す必要が出てきます。儲かるファンドの基準があれば、あまり詳しくない人でも選びやすくなるでしょう。

ファンドを比較する基準として使えるのが「トータルリターン」です。

トータルリターンの数字を見ましょう。この数字が高いファンドは、優秀な成績をおさめていると見て取れるからです。

利回りの良いファンドなら儲かる?

儲かりそうなファンドを比較するとき、一般的に「利回り」を注目しがちです。

利回りとは、「金融資産を保有する期間中にいくらお金が増えるのか?」の目安です。

多くの場合、年率であらわされます。年率とは保有期間1年、パーセントによる数字のことです。

例えば、1万円の金融商品を買ったとします。1年間保有していたら1万円が1万200円に増えました

計算すると1万円に対する200円は2%です。

200 ÷ 10,000 = 0.02(2%)

つまり、今回購入した金融商品の利回りは「年率2%」であるとわかります。

これは投資の世界だけでなく、預貯金でも利用される基準です。普通預金や定期預金には年0.01%や年0.25%など、それぞれ金利が設定されていますよね?

預金口座に預けておくと金利分の利息をもらえますが、あれも利回りの一種です。

利回りが高ければ高いほど、効率よくお金を増やせます。

1万円の金融商品で利回り2%なら200円しか増えません。これが利回り4%なら2倍の400円増えます。

10万円の金融商品で利回り2%ならプラス2000円、利回り4%ならプラス4000円です。

保有する金融商品にかけるお金が多いほど、利回りによる儲けがどんどん増えるんですね。保有期間が2年、3年と長くなればもっと増えます。

資産を増やすなら利回りの良いものを利用すべきなのは、何となく理解できると思います。

ところが、投資信託やETFのファンドは少し勝手が違います。利回りだけを見ると失敗するため、注意が必要です。

トータルリターンは分配金も含んだ成績

ファンドの良し悪しを比較するなら、利回りよりトータルリターンを見ましょう

トータルリターン自体も利回りの一種ですが、その中身が違います。

投資信託やETFを販売する金融機関のほとんどで、各ファンドの利回りを紹介しています。

ただ、各ファンドの利回りだけを見てもあまり参考になりません。利回りは分配金に焦点を当てた数字だからです。

分配金とは株の配当や預貯金の利息と似たような存在です。保有中にファンドの運用会社から支払われます。

通常、ファンドの利回りは分配金だけを基準にします。銀行の預貯金の利息とほぼ同じようなものだと思ってください。

しかし、ファンドには分配金だけでなく、基準価額という価値の変動が存在します。利回りの数字だけを見ていては資産がどれだけ増えるのか・減るのかがわかりにくいんですね。利回りが良くても資産自体が減っていることもありえます

利回りだけを見てはいけないのは、これが理由です。

一方のトータルリターンも利回りと同じように、パーセントであらわされます。

トータルリターンには分配金の他、基準価額の値上がり分・値下がり分も含まれるのが特徴です。分配金が少なくても基準価額の値上がり分が高いファンドは、トータルリターンの結果も高くなるということです。

分配金がずっと出ていないファンドは世の中にたくさんあります。預貯金の利息をイメージするとお得感の薄いファンドに見られがちです。ところが、分配金がなくてもトータルリターンの高いファンドなら、資産を増やせる、効率の良いファンドだと評価できるんですね。

複数のファンドを比較するなら、必ずトータルリターンの高さを見てください。

分配金が出ているのにトータルリターンがあまりにも低いファンドは運用が下手な証でもあるため、購入を控えるのが無難です。

短期的より長期的なトータルリターンを見ること

運用実績の優れるファンドを探す方法として、トータルリターンの高さを基準にするのが良いのはわかりました。

但し、期間も同時に考えないと勘違いする恐れがあります。

ファンドの公開資料で、短期(数カ月~1年など)と長期(3年~10年など)のトータルリターンをチェックできます。

チェックしていると、1カ月や6カ月、1年のトータルリターンが悪くても、3年間の実績がプラスになっているファンドも多数存在するのがわかると思います。

投資の世界は頻繁に価格が上下します。その影響もあって、短期的に見るとファンドの運用実績が大幅に下落することだって珍しくありません。

短期的に下がると慌てて売りたくなりますが、そこは冷静になって少し考えてみましょう。

投資信託やETFの多くが長期的な投資に活用されます。

長期的にトータルリターンが高ければ、長く保有するほど資産を増やしやすいファンドの可能性を秘めているといえます。

逆にファンドを使って短期間で儲けを得たい投資家の場合だと、長期的ではなく短期的な成績を重視する必要が出てくるでしょう。

このように、ファンドをどのくらい保有し続けるかによって戦略を変えることが大切です。投資全般に共通するポイントかもしれませんね。

トータルリターンの盲信は危険

ここまで読むと、トータルリターンに優れるファンドを買っておけば安心だと思いたくなりますよね。

ところが、投資の世界はとても複雑でランダムな動きをします。必ずしもトータルリターンが優秀なら儲かるとも言い切れません。

トータルリターンは過去のデータです。

未来のことは誰にもわかりません。数年・数十年儲かっていたファンドでも、突然儲からないファンドに転落したって不思議ではないんですね。

トータルリターンは「儲ける確率を高めるための基準の一つ」として見てください。

あくまでも「確率」です。「確実」に儲かる基準にはならないことを忘れないでおきましょう。

また、ファンドごとに公開されるトータルリターンには買付手数料や解約手数料の各コストが含まれないのも注意が必要です

コストの内、信託報酬については基準価額に反映されているのでわかりやすいと思います。

ところが、購入時と解約時のコストは投資家自身の行動に合わせてその都度発生するものなので、トータルリターンからその分を差し引かないと本来の儲けや損失の分を理解できません。

投資信託を保有すると、独自に顧客のトータルリターンを計算してくれる証券会社や銀行などが存在します。これには今までかかった買付手数料や解約手数料まで含んだトータルの成績が表示されており、本当の意味でどれだけ資産が増えているのか、減っているのかが一目瞭然です。

ファンドが公開する成績だけでなく、投資信託の取引に使っている金融機関のサービスも一緒に確認することが大切です。

資産を減らすリスクをどれだけ抑えられるかを考え、さらに過去の実績を盲信せず注意しながら、投資信託やETFを活用した資産運用をおすすめします。