本当に節約できてる?エコな家電の買い替え効果と失敗について

古い家電よりも最新式の家電はエコ技術が高まっており、節電効果が期待できます。電気代が高いと感じるのであれば、今自宅で使っている家電をさっさと最新式に替えてしまおうと考えますよね。

電気代を高くする古い家電からエコな最新家電に買い替えて節約

エアコン・テレビ・コタツ・冷蔵庫などの各メーカーが頑張って優れたエコ家電を作ってくれるのは、消費者の立場としてとても助かります。

しかし、短絡的にエコ家電に替えるのは本来の節約目的から外れてしまう危険があることを知ってください。

節電と節約は、必ずしもイコールにならないからです。

家電の購入費用を考えなければ失敗する

「電気代が安くなるから」と思ってエコ家電を買ったとします。

実際に使ってみると普通に機能しますし、使用を開始した月の電気代を見れば少し安くなっているのを実感できることだってあります。

電気代が安くなったと喜びたいところですが、ここで忘れてはならないのが「エコ家電の購入費用」というコストです。

買い替え後に当月の電気代が1000円安くなっても、それを実現するためのエコ家電が3万円もするなら、現時点で2万9000円のマイナスなんですね。

節電はあくまでも電気代を抑えること

優れた節電効果があるエコ家電は、実際にあなたの家の電気代を安くしてくれるでしょう。生活費の負担が和らぎます。

しかし、エコ家電の購入コストも、生活の中の支出であることを忘れてはいけません。

エコ家電は電気代そのものは安くしてくれるでしょうが、それ以上の恩恵を期待するのは危険です。家電はタダで手に入れられるのではなく、代金を払う必要があります。

この部分を勘違いしているとせっかく省エネ効果の高い家電を取り入れたのに、むしろ生活費が増えてしまって貯金さえできない状態になってしまうのが心配です。

エコ家電は得か損か?シミュレーションしてみる

購入にお金がかかるエコ家電で本当に節約できるのかは、計算すると判断しやすくなります。計算に使う金額はあまり厳密でなくても構いません。なんとなくわかる程度の大まかな数字で、簡単な計算をしてみましょう。

2017年モデルのエアコンで電気代を計算

省エネ効果のある家電として、エアコンを例にあげてみます。6~8畳用のスタンダードなエアコンで、本体価格は5~6万円くらいが相場でしょうか。

続いて節電効果ですね。ありがたいことに、エアコンのメーカーから「期間消費電力量」という目安の数字が公表されています。一定期間におけるエアコンの消費電力のことで、期間消費電力量を用いて計算すると、1年間でエアコンにかかる電気代の相場が大ざっぱにわかります。

MEMO
エアコンの場合では期間消費電力量ですが、冷蔵庫やその他家電だと年間消費電力量としてカタログ・取扱説明書に記載されている例が多めです。どちらのパターンも、この数値「kWh」が低いほど省エネ効果が高い家電だと思えば大丈夫です。

2017年モデルのスタンダードなエアコンだと、期間消費電力量は700kWh~800kWhを少し切るくらいですね。仮に780kWhとしましょう。

780kWhに「一般家庭の平均的な電気料金の1kWh=27円」をかけ算すれば、エアコンにかかる年間の電気代がわかります。

2017年モデル・エアコン電気代
780kWh × 27円 = 21,060円(年間)

今使っているエアコンの電気代を比較する

次に、今あなたの家庭で使っているエアコンの電気代を調べます。カタログや取扱説明書などに期間消費電力量が書かれていないか、調べてみてください。

2007年モデルのスタンダードなエアコンなら、期間消費電力量は1000kWhくらいです。今回は仮に980Wとして、先程の2017年モデルと同じように電気料金をかけ算してみます。

2007年モデル・エアコン電気代
980kWh × 27円 = 26,460円(年間)

2017年モデルが約2万1060円の電気代ですから、年間5400円の節約効果です。

電気代の節約効果とエアコン代を比較する

2007年モデルから10年後にあたる、2017年モデルの省エネなエアコンに買い替えるとしましょう。

2017年モデル
  • エアコン代:5万円
  • 電気代:年間5400円安い
2007年モデル
  • エアコン代:0円
  • 電気代:現状維持

電気代だけを見れば2017年モデルは年間5400円安いですが、代わりにエアコンの買い替え費用として5万円を消費します。今までよりも年間5400円節約するなら、まずエアコン代の5万円を電気代の節約効果で取り戻さなければなりません

5万円を取り戻すまでにかかる期間
エアコン代5万円 ÷(年間の節約効果5400円 ÷ 12ヶ月) = 111.111…

割り切れないので、小数点以下を切り上げて「112」とします。結果、112ヶ月以上、つまり9年4カ月使い続けてようやくエアコン代の5万円を超え、元が取れるということです

節約できていない??

計算結果からわかるように、省エネ効果の高い最新のエアコンに買い換えたとしても、実際に節約できるまでなんと9年を超える時間が必要になります。

最低9年4カ月使わなければ2007年のエアコンを使い続けるよりも支出が増えるので、本当に生活費を減らせるのか疑問に思うところですよね。

もっと省エネ効果の高いエアコンを選ぶのは?

上の例では、スタンダードな比較的安いエアコンで計算しました。ところが、もっと省エネ性能の高い上位機種のエアコンもあります。それを選べば電気代を更に節約できる可能性が高くなります。

先程の2017年モデル6~8畳向けのスタンダードなエアコンは約780kWhでしたが、同モデルの上位機種なら約680kWhの期間消費電力量で済むものが存在します。

  • 780kWh × 27円 = 21,060円
  • 680kWh × 27円 = 18,360円

年間の電気代の差額は2700円です。1000kWhの電力量である2007年モデルから2017年モデルの上位機種に買い替えれば年間8100円の節約効果ですから、もっと短い期間でエアコン代金の元が取れそうだと錯覚しがちです。

上位機種は本体価格が高い

省エネ効果が高い上位機種なら、スタンダードな機種よりも電気代を節約できます。しかし、同時に本体価格が高くなるのを忘れないでください。

エアコンの場合、スタンダードな機種なら5万円で購入できても上位機種だと更に3万円、5万円も本体価格が高くなるケースがよくあるからです。

上位機種で電気代が年間2700円安くなっても同時に本体価格が5万円高ければ、元を取るまで多くの時間を必要とするのは誰にでもわかると思います。

「省エネ性能が高いから」という理由だけで家電を購入すると、節約に失敗する原因はここにあります。

エコ家電はムダ?

そんなことはありません。省エネ効果の高いエコ家電に替えれば、電気代が安くなるのは本当です。

節約効果を実感するのなら、買い替えのタイミングを見極めましょう。とはいえ、見極めはそんなに難しくありません。今使っている機種の寿命が近づいたら買い替えを検討すればよいだけです。

エアコンにしろ冷蔵庫にしろ、生活に必要な家電には必ず寿命がきます。10~15年くらいが、電化製品の平均的な寿命だとされています。

10年使い続けたならそろそろ買い替えを意識して、今発売されている省エネ性能の高い機種を探してみてください。

節約で失敗するのは買い替え頻度

ついエコな新製品が出ると欲しくなってしまう人もいますよね。ただ、エアコンや冷蔵庫のような高額家電を3年や5年の周期で買い替えるのは早い気がします。電気代の節約効果を家電の購入コストが上回ってしまい、支出が増える可能性が濃厚です。

本当に生活費を節約しようと考えるなら、今使っている家電を10~15年くらい使い続ける工夫をするのが現実的です。

  • 家電を乱暴に扱わない(叩かない・落とさない・投げない)
  • ホコリや汚れが家電に付着したら掃除する
  • 本体の電源が入ったまま電源コードを抜かない
  • 使っていないときは電源を切る
  • 水をこぼさない
  • 雷の音がしたら電源を切る

これらのポイントを守りながら丁寧に使えば、家電の負担が減って長く使える可能性が高まります。家電の良好な状態を維持すれば能力を引き出しやすい条件が整って、消費電力のムダを抑えられるのがメリットです。

しかし、電化製品には当たりハズレがつきものです。丁寧に使っても10年未満で壊れるリスクを持っています。この場合は運がなかったと素直に諦めましょう。

別の方法も合わせて節電

エコ家電の性能ばかりに頼らず、他の部分を見直して電気代の節約効果を狙ってみてください。支出を気にせず節電できるのが、これらの方法のメリットです。

節約の妨げになる電気の使いすぎとムダをなくす方法 電気代を今より安くしたいなら電力会社を乗り換えてみては?

節約は生活の中のムダな支出を抑えること

「貯金したい」「ムダな支出を減らしたい」と思っているなら、電気代の節約効果と家電の購入費用の2つを比較するのが大切です。

電気代だけにとらわれるのではなく、生活費の全体を見渡して、支出を抑えられる方向へ持っていきましょう。この点を理解できるようになれば、賢くお金を貯められる生活を送りやすくなると思います。