電気とガス…光熱費の節約にリスクの低い現状維持をおすすめする理由

生活を快適にする電気とガスですが、毎日使うものでどうしても光熱費が多くかかりがちです。0円にするわけにはいかないので、お金を残しやすくするなら出来る限り光熱費を安くしたいと考えます。

今ならオール電化があります。ガスに比べて安くお湯を作り出せることから注目されていますが、光熱費節約のためにガスからオール電化に替えるべきなのかについては、以前の記事でいろいろと書いてみました。

ガスよりもオール電化のほうがお得?節約するならどっち

個人的な意見ではあるものの、今の状況で無理にガスから電気へ替える必要はないと思っています。具体的な内容については上の記事を読んでいただいて、今回はもう少し付け加える形でその理由を書いてみます。

電気は本当にガスよりも安いのか?

以前はかなり安かった

ガス代が高いと感じるのは、多くのエネルギーを必要とする給湯器の部分です。オール電化の家庭なら深夜の安い電気料金でお湯を沸かしますから、とても安く給湯器を利用できます。

例として、東京電力のオール電化向け夜間電力料金「電化上手」なら1kWh=12.25円です。日中の電気料金に比べて半額以上安いのが特徴です。ガスよりも圧倒的に低いコストでお湯を作り出せるのがメリットですね。

ところが、最近の夜間電力の料金はどこの電力会社も値上がりの傾向が強まっています。東京電力がオール電化向けに提供する新しいプランの「スマートライフ」だと、夜間電力の料金は1kWh=17.46円です。

  • 電化上手:12.25円
  • スマートライフ:17.46円

たったの5円ですが、この料金は従量制の単価なので電気をたくさん使うほど5円の差が響いて、電気代が高くなってしまいます。

スマートライフは電化上手に比べて、昼間の電気料金の安さが特徴です。しかし、夜間の格安な料金でお湯を沸かせるのがオール電化の最大のメリットでしたので、昼間の料金が安くなっても実質値上げのような感覚です

今安くてもいずれ高くなる危険あり

東京電力の旧プランである電化上手は、2016年3月末に新規受付を終了しています。終了前に契約した家庭なら電化上手の安い料金でお湯を沸かせてラッキーでしょうが、東京電力がいつまでも電化上手のプランを残してくれると期待するのはやめておきたいところです

2016年4月から電力自由化がスタートし、電力会社同士でユーザーの獲得競争が行なわれています。同じ東京電力でオール電化のプランに加入しているのに、古いユーザーだけが格安な電化上手を使える状態だと、これから利用を希望するユーザーから不満の声が大きくなります。

不満が膨らむと顧客離れが加速するリスクを増やしますから、いずれタイミングを見計らって電化上手を夜間電力が高い新しいプランへ統合する流れになっていく可能性がとても高いと思います。継続するにしても、電化上手のサービスの質を落とすといった差別化の実施もありえそうですね。

この流れは1社が行えば、他の電力会社も次々に実施するでしょう。

日本は電気もガスも他国頼み

普段どおりに使っているのに、急に電気代やガス代が高くなることってよくありますよね。これは輸入コストが深く関係しています。

電気は主力の火力発電だと化石燃料(石炭・天然ガス・石油)、ガスは天然ガスを使って作り出します。これらは資源ですが、日本は資源がとても乏しい国なので、海外から輸入せざるを得ません。輸入するには海外から資源を購入する必要があるものの、国家間の通貨の価値、資源の需要と供給のバランスで常に価格は変動します。

国内の資源が豊富な状態ならあまり価格の変動を起こさないでしょうけれど、輸入に頼らざるを得ない状態だと価格の変動はどうしても避けて通れません。

再生可能エネルギーなら安くなる?

電気なら太陽光発電・風力発電・水力発電で作り出せます。再生可能エネルギーと呼ばれているもので、輸入に頼らず作れるのが強みです。再生可能エネルギーが利用できる電気なら安くなると考えるところですが、残念ながらこれらのエネルギーは安定性に欠けるので現状では主力の発電設備にはなりません。

  • 太陽の光が地上に届く
  • 風が吹いている
  • 水が大量に流れている

これらの条件を十分にクリアできないと、発電量が下がります。また電気へ変換する効率が悪いというデメリットを持っています。水力発電は比較的安定性と変換効率に優れますが、ダムのような巨大な施設のコストがかかり、水のある場所に限定されます。

安定して電気を大量に作れる火力発電や原子力発電に比べると再生可能エネルギーはあまりにも非効率で需要に追いつかず、電気が足りなくなる問題が起こります。

参考 再生可能エネルギーの課題関西電力

ガスも輸入で高くなるならやはり電気が良さそうだけど

ためておくのが簡単なガス

輸入した天然ガスは大きなタンクや球体のガスホルダーに詰め込んで、しばらく保存が可能です。ガス管を通じて各家庭に送るのが都市ガス、ガスボンベに詰めて各家庭に設置するのがプロパンガスです。

このようにガスはためておくことができて、質もほとんど落ちません。一方で電気をためるにはかなり難しい技術を必要とします。

蓄電池を使えば電気をためられます。充電池やスマホのバッテリーなどが一般の人には馴染みがあるでしょうか。ただ、大量の電気をためるのは今の技術だと困難で、自宅に蓄電池を設置するにしても100万円や200万円クラスの本体価格が発生します。蓄電池が劣化すれば、当然ながら買い替えなければなりません。

エネルギー効率はガスが優秀

ためたガスはほぼ100%使えます。ところが、電気は発電しても排熱や送電の最中にロスが発生し、各家庭へ届くころには約40%まで量が落ちてしまいます。約60%の電気がムダになってしまうということです。電気は一般の人には見えない部分で、エネルギー効率の悪さ=コストがかかる問題を抱えています。

どちらが安くなるのか未来はわからない

今後の技術次第で電気とガスの立場は変わる可能性がありますし、もしかしたら変わらないかもしれません。

一般家庭で光熱費を節約したいと考えるなら、コストの変動リスクを持っている電気とガスで比較するのはあまり現実的ではないような気がします。それよりも今の状態で安くなる工夫をするのが遥かに簡単です

電気もガスも快適に生活するための必要なエネルギーで、使うには給湯器を設置する必要があります。給湯器は電化製品なのでいずれ劣化して買い替えなければなりません。そう、どちらも同じようにコストがかかるんです。

「あのときは電気が、ガスが安いといっていたのに、その後値上がりして後悔した」なんてこともあるでしょう。元へ戻すにしても、設備の購入と工事で多くの費用がかかってしまいます。

明らかに安定した安さを誇るエネルギーや技術が新しく登場するまでは、今のままで節約する方法を試しながら、コツコツとお金を貯める・節約するやり方をおすすめします。