売買タイミングに使える株価チャートの基本

パソコンでチャートを見る女性

安い時に買って高くなったら売る。株式投資の基本はわかっていても、株価の数字を見ているだけでは売買の判断が難しいですよね?

売買タイミングをはかる際によく利用されるのがチャートです。

チャートとはグラフのことで、株価の値動きをわかりやすく図表にしたものだと思ってください。

その銘柄が今までたどってきた値動きがチャートにあらわれています。多くの投資家が取引タイミングの参考として使っていることから、注目したい資料です。

チャートの基本を覚えよう

チャートの見た目は以下の図のような感じです。

(SBI証券トレードツール「HYPER SBI」より)

これは「東京電力ホールディングス(9501)」の2019年1月~3月5日までの値動きをあらわしたものです。数字だけの表よりも、株価が「上がった」もしくは「下がった」状態をひと目で理解できるのが特徴でしょうか。

チャートを使って投資判断することを、「テクニカル分析」と言います。

テクニカル分析には数十種類以上の指標が存在するので、全てを理解するのはあまりにも大変です。ただ、よく使われているチャートの見かたを覚えるだけでも知識のない場合に比べ、売買タイミングをはかりやすくなります。

そこで、よく使われているチャートの分析方法を3種類ご紹介しましょう。

ローソク足

チャートの中に、縦長のやや太めの棒細い線のような棒を組み合わせたものがありますよね?これをローソク足(ろーそくあし)と言います。

ローソク足

ローソク足は、一定期間の値動きを図形にしたものです。

株価をローソク足で見るポイント

太めの棒である四角形の上辺と下辺は、その期間の「始値(はじめね)」と「終値(おわりね)」を指します。

ローソク足 始値と終値

  • 始値(はじめね):その期間が始まった時点の株価のこと。
  • 終値(おわりね):その期間が終わった時点の株価のこと。

細長い線の先端は、その期間の高値(たかね)安値(やすね)をあらわしたものです。

ローソク足 高値と安値

  • 高値(たかね):その期間で最も高い株価のこと。
  • 安値(やすね):その期間で最も安い株価のこと。

ローソク足は色分けがされていて、始値よりも終値が高い(陽線)、始値よりも終値が低い(陰線)状態をぱっと見ただけで理解しやすく工夫しています。

ローソク足 陽線と陰線

色分けについては特に決まりなどなく、証券会社やチャートを提供するサービスによってデザインが違ってきます。

上の方でご紹介したSBI証券のトレードツールHYPER SBIの画像を見た場合、赤のローソク足だと始値よりも終値が高くなった「陽線」を示し、青のローソク足なら始値よりも終値が低くなった「陰線」を示します。

ローソク足の期間

ローソク足1本分は特定の期間をまとめたものです。特定の期間のことを「日足・週足・月足」などと呼びます。

  • 日足(ひあし):1日分の値動き
  • 週足(しゅうあし):1週間分の値動き
  • 月足(つきあし):1カ月分の値動き

この他にも、1分足・5分足・1時間足などのローソク足も存在します。

例として、「日足(ひあし)のローソク足」で考えてみましょう。

とある銘柄の1日の値動きをローソク足(陽線)であらわした場合です。

ローソク足 日足の陽線

  1. 太めの棒の下辺が、「その日の市場が始まったとき」の株価(始値)。
  2. 太めの棒の上辺が、「その日の市場が終わったとき」の株価(終値)。
  3. 下の細い棒の先端が、「1日の値動きで最も安い」株価(安値)。
  4. 上の細い棒の先端が、「1日の値動きで最も高い」株価(高値)。
この仕組みは5分足・週足・月足など、他の期間のローソク足も同じです。

ローソク足は基本的に、長方形の太い棒と細い棒の組み合わせになる場合がほとんどです。しかし、たまに太めの棒が縦の細い棒と同じ太さになることがあります。

ローソク足 始値と終値が同じ

これは始値と終値が同じ価格で終わったという意味です。

また、「高値と安値」が「始値や終値」と同じであった場合、細い縦の棒は表示されません。

ローソク足 ヒゲありとヒゲ無し

ちなみにローソク足の細い縦の棒は「ヒゲ」とも呼ばれます。投資関係のローソク足の話題でヒゲの言葉が出たら、このことを言っているんだなと思ってください。

ローソク足からわかること

その期間の株価に対し、「売りと買いのどちらが優勢か?」がわかってきます。

始値と終値の差が大きくなれば、ローソク足の太い棒が長く伸びます。

ローソク足 短い棒と長い棒

取引期間中に一方の方向へ注文する投資家が多くあらわれた証拠です。終値が大きく上に伸びれば、その銘柄を積極的に買いたいと考える投資家が増えたのがわかります。

細長い棒の登場は、投資家の抵抗をあらわしています。

ローソク足 下に長いヒゲ

太い棒の下辺の下に細い棒が長く伸びている場合、そこまで株価を下げたタイミングで割安だと判断した投資家が多くなり、買いの勢いが増して株価を戻したことがわかります。

太い棒が横一直線になったり伸びが短ければ、売りと買いの勢いが同じくらい、もしくは様子見をしていて、株価があまり動かない状態だと判断できます。

ローソク足 短い棒

移動平均線

上で説明したローソク足とセットでよく表示される、線状のグラフのことです。

移動平均線 短期・中期・長期

一定期間の終値の平均値を結ぶと、横に長い折れ線グラフが出来上がります。

移動平均線の期間

移動平均線の期間にはいろいろありますが、よく使われているのが5日・25日・50日~75日の各移動平均線です。

5日の移動平均線なら、5日間の終値の平均値を結んで折れ線グラフであらわします。

短期間の移動平均線ほどリアルタイムの値動きに近くなります。長期のものほどゆったりした折れ線グラフになるため、その銘柄の大まかな過去の値動きを見るのに利用しやすいでしょう。

移動平均線でわかる銘柄の方向性

銘柄には株価が

「上昇し続けるもの」

「あまり動かないもの」

「下落し続けるもの」

という3種類が存在します。これらの方向性(トレンド)をひと目で理解するのに移動平均線が役に立ちます。

右肩上がりの線は上昇トレンドと呼ばれ、値上がりし続けている銘柄なのがわかります。

移動平均線 上昇トレンド

今後も株価がさらに上昇する可能性を秘めており、投資家からの注目度が高くなります。利益を狙いやすい銘柄であると判断できるでしょう。

右肩下がりの線は下降トレンドと呼ばれます。

移動平均線 下降トレンド

買いたい人が少なく、安くてもいいから売ってしまおうとする人が多い状態のため、株価が下がり続けています。下降トレンドの銘柄は今後も株価を下げる可能性が高いと見て取れますから、購入は慎重になるべきです。

上下動の幅が狭い波打った形の線は、もちあいレンジ相場ボックス相場などと呼ばれる銘柄です。

移動平均線 保ち合い

方向性が定まらない状態をあらわしています。

このタイプの銘柄は突然上昇トレンド、もしくは下降トレンドに移行する可能性を秘めています。どちらに動くかまだわからない状態のため、リスクを避けるなら方向性がはっきりするまでじっと待つのが良さそうですね。

短期と長期の線を組み合わせてみよう

移動平均線の向きでトレンドの方向性がわかります。ただ、1つの移動平均線よりも25日線と75日線のように、2種類以上を組み合わせて見ると方向性の精度が高まりやすくなるでしょう。

短期の移動平均線が長期よりも上で、両方共右肩上がりなら、長期に渡って安定した上昇トレンドを描いている銘柄だと言えます。

移動平均線 短期線と長期線 右肩上がり

逆に短期の移動平均線が長期よりも下で、両方共右肩下がりなら、長期に渡って下降トレンドを描いている銘柄です。

移動平均線 短期線と長期線 右肩下がり

ずっと下がり続けている理由ですが、「業績が悪いままで回復する兆しがない」「会社の成長を今後期待できない」「事業内容に魅力がない」などの、ネガティブなイメージで多くの投資家に見られている可能性が高いでしょう。

長期の移動平均線が緩やかな右肩上がり、もしくは平行線に近い状態で、短期の移動平均線が下がって長期の線を抜けてきたら、上昇トレンドから下降トレンドへ切り替わるサインかもしれません

移動平均線 短期線が長期線を下抜け

今後株価が下がり続ける恐れがあるため、保有している株を手放したり買うのを控えたりなどの判断に使えそうですね。下にあった短期線が上の長期線を抜けてくる逆のパターンなら、判断も逆に考えてください。

長期の移動平均線から短期の移動平均線が極端に離れたら、割高もしくは割安と判断する投資家が増えてきます。

移動平均線 短期線が長期線から大幅に乖離

短期線が上に大きく離れたなら、割高付近で買ってしまうのを避けるのに使えるでしょう。短期線が下に大きく離れた場合には割安と判断されやすいため、購入のチャンスかもしれません。

移動平均線とローソク足を組み合わせる

ローソク足自体も線で結べば折れ線グラフになりますので、移動平均線と組み合わせて売買の判断に使えます。

移動平均線付近にローソク足が近づくと、そろそろ売り時・買い時だと判断する投資家が増えてきます。

ローソク足が移動平均線に接近

但し、トレンドの方向性が変わる可能性の高いポイントでもあるので、予想していたのと反対方向に動くリスクに注意が必要です。

出来高

その銘柄の売買取引量をあらわします。どれだけの数の株が売られたのか?買われたのか?をグラフ化したものです。

(SBI証券トレードツール「HYPER SBI」:東京電力ホールディングス(9501)2019年1月~3月5日の出来高)

これもローソク足と同じように、一定期間ごとにわけて棒グラフにします。ローソク足とセットで見るとわかりやすいでしょう。

出来高が増えたら?

活発に取引されている証拠です。但し、買い方ばかりでなく売り方が多い場合にも出来高が上昇しますので、出来高が多いから値上がりするわけではありません。大きく下げる可能性もあるので注意しましょう。

出来高が減ったら?

株の取引量が少ない状態で、積極的に売買しない投資家が増えていると見て取れます。閑散相場などとも言われます。

その銘柄に魅力がない、もしくは株価の方向性が定まらず、リスクが高くて市場に参加したくないと考える投資家が多いなど、理由は様々です。

出来高の多い銘柄と少ない銘柄

出来高は、その銘柄の流動性の高さや低さを見る場合に役立ちます。

流動性とは頻繁に売買されているかの目安です。「人の出入りが激しい繁盛しているお店」と「客足がまばらで地味なお店」に例えるとわかりやすいでしょうか。

長期に渡って出来高の多い銘柄は人気のある証です。たくさんの投資家が参加しますので売買の成立が頻繁に行われて、流れるように値動きが細かく刻まれる銘柄が比較的目立つ感じです。

出来高の少ない銘柄には、少し気をつけたほうが良いでしょう

取引の参加者が少なくても、順調に株価が上昇する銘柄もたくさんあるのは確かです。

ですが、流動性が低いとちょっとした取引の影響で瞬間的に株価が数段飛びに上昇する、もしくは下落することもよく起こります。

短期間に大儲けしやすい銘柄とも言えますが、株価を操作したいと考える投資家にとって都合の良い銘柄であるとも捉えることができます。

MEMO
意図的に株価を操作するのは違法です。しかし、取締が難しいためしばしば発生するのが現状です。

高値づかみや割安で売る流れを作られてしまいやすいので、警戒すべきです。

また、出来高の少ない銘柄に対して成行注文すると、取引成立の瞬間に株価が大きく変動してしまい、思わぬ価格で売買するリスクを持っています。出来高の多い銘柄なら突然の暴落や暴騰でもない限り株価変動がスムーズなので、このようなリスクは低めです。

出来高の多い銘柄は、超大手企業が集まる東証一部上場の銘柄に多い感じです。出来高の少ない銘柄は、新興企業・ベンチャー企業などがひしめくJASDAQやマザーズの銘柄で目立ちます。

テクニカル分析に絶対はない

今回紹介したローソク足・移動平均線・出来高は、株式投資におけるテクニカル分析の基本中の基本です。他の方法がわからなくても、この3つを覚えるだけでもリスク回避に役立ちそうです。

ただ、これらのテクニカル分析は、絶対にそのとおりの流れになるわけではありません。

ローソク足も移動平均線も出来高も、そのチャートが作られた瞬間、すでに過去のデータへと変わります。これから訪れる次のデータがどうなるかは誰にもわからず、急に流れが変わることも頻繁に起こります。

とはいえ、チャートの存在は目安としてある程度の信頼を置けると思います。多くの投資家がチャートを見て、売買の判断をしているからです。未来がわからないからこそ過去のデータに頼りたくなるのは、誰だって同じですよね。

投資家の考えがどちらの流れなのかをチャートで判断しつつ、株式投資のヒントとして役立ててみましょう。

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