せどりを行う上で絶対に欠かせないのが仕入れですよね。ある程度の稼ぎを目指すなら数多くの仕入れをこなすのが普通です。
その際にクレジットカードを利用すれば、効率よくポイントをザクザク貯められるでしょう。
仕入れで絶対に活用したいクレジットカードではあるものの、貯めたポイントの使いみちをどうすればよいのか?
「貯めたポイントを使って代金を支払えば、安く仕入れができる!」
そう考えますよね。
ただ、このときに気をつけたいのが経費の扱いです。ポイントで支払った代金を経費にして所得を少なく見せる方法は、あまりすすめられません。
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せどりの税金対策に使える経費ではあるものの…
せどりでそこまで多く稼いでいるわけでなければ、今回のお話はあまり気にしなくて良いかもしれません。
ところが、せどりをやってみて思った以上に稼げたり、本格的な副業として多く稼ぐことになったりしたら、確定申告の義務が発生して税金を納めるようになるでしょう。
所得税や住民税などの税金は所得が多いほど増える傾向があるため、せどりの所得(利益)を少なく見せるには、経費を多くすればよいわけです。
せどりの場合、経費の大半が仕入れコストになると思います。
経費の考え方については、以下の記事を読んでみてください。

今回は、せどりの経費に該当する仕入れコストをクレジットカードのポイントで支払った場合に、「少しまずい対応のしかた」についてお話します。
ポイント分を無視して経費にするのはちょっとまずい
せどりの場合、
こんな感じに所得が決まります。
経費を多くすれば所得を少なくできますから、仕入れのコストを経費にして収入から引き算するのは、せどりにおける税金対策の基本中の基本です。
これに関してはなにも問題ありません。といいますか、余計な税金を払わないためにも絶対に行ってください。
クレジットカードのポイントが貯まっていて、そのポイントを消費して仕入れ目的の商品を購入するのも構いません。
ただ、以下の例のような流れには注意してください。
- 1000円の商品を仕入れ目的で購入しようと決める。
- 代金支払いのときに、クレジットカードに貯まっているポイント400円を使った。
- 結果、600円の安さで商品を仕入れた。
- 仕入れた商品を出品したら、2000円で売れた。
- 売上2000円の内、仕入れ商品の価格1000円を経費にする。
- そんなわけで、所得(利益)は1000円でした。
この流れの中でまずいのは、5と6の部分です。
5の部分で経費として、仕入れた商品の元の価格「1000円」を設定していますよね?
クレジットカードのポイントを使った分、安く買えたことを無視して、元の商品価格を経費にするという処理ですが、この方法はおすすめしません。
仕入れ商品の価格1000円から、代金支払いで使ったポイント400円分を引いた、600円を経費にしてください。
なぜポイント分を経費にできないのか?
これについては税に関する難しい問題なので、はっきりしたことはいえません。ただ、ポイントの捉え方によっては、結果がおかしくなる問題が発生します。
以下に例を載せてみます。同じ商品を購入して売ったとしても、ポイントの捉え方によって違う結果になることがわかるはずです。
1000円の商品に400ポイントを消費して600円で仕入れ。
その商品が2000円で売れた場合の所得(利益)。
- 収入2400円(ポイント込み)- 経費1000円(消費ポイント分を無視)
= 所得1400円 - 収入2000円(ポイント除く)- 経費600円(消費ポイント分を引く)
= 所得1400円 - 収入2000円(ポイント除く)- 経費1000円(消費ポイント分を無視)
= 所得1000円
1と2の所得は同じ結果ですが、3の方法だと所得がポイント分だけ少なくなりました。
3は明らかにおかしな結果なので、避けるのが無難。仕入れでポイントを使って安く購入したなら、1か2の方法で計算するのが自然です(2の方法が一般的だと思います)。
せどりで貯めたポイントの賢い使い方
せっかくポイントを貯めたのに、結局経費にできる金額がポイント分だけ減らされてしまうのなら、お得感が薄れてしまいますよね。
そこでよく行われている対策が、クレジットカードに貯まっているポイントを、せどりの仕入れに使わない方法です。
仕入れだけでなく、せどりの経費になるもの全てにポイントで支払うやり方をやめます。
代わりとして、生活費にポイントを使ってください。
食料品や衣料品の購入、旅行や娯楽の代金支払いなど、せどりとは関係ないところの出費を抑えるために、ポイントを消費するやり方です。
ポイントは「値引き」のような存在
所得の申告の際、少しややこしいことになるので、ポイント分を経費にする考えは避けるのが無難です。
ここで疑問に思うのが、
「クレジットカード払いで貯めたポイントは収入に当てはまるのか?」
についてですが、国税庁から公表されているルールが存在するわけでもなく、税理士の考え方もバラバラです。現段階においては、はっきりした決まりがないようです。
あくまでもクレジットカードのポイントは収入に値する報酬ではなく、「値引き」という認識が一般化している感じですね(デビットカードやポイントカード、電子マネーで貯まるポイントも似たようなものだと思いましょう)。
もし、貯めたポイントがかなりの金額に相当するなら、収入として申告するのが無難かもしれません。とはいえ、一般的なクレジットカードの還元率は0.5%~1%で、高くても2~3%といったところです。
この還元率で考えると、年間のカード払いが数千万円クラスでやっと10万円分のポイントが貯まるかどうか?というレベルになります。
せどりで数千万円のコストをかける人は限られるでしょうから、軽い副業やお小遣い稼ぎ程度で行うなら、あまり気にしなくてよいと思います。
経費にする、仕入れなどの金額を間違えないようにするくらいで大丈夫でしょう。
仕入れで貯めたポイントを使って生活費を節約しよう
経費にしにくいポイントではあるものの、せどりの仕入れでカード払いを選択し、ポイントを貯めること自体は問題になりません。
貯めたポイントを生活費に回せば、結果的に支出を抑えられます。
クレジットカードを有効活用して、「せどりで儲ける」「生活費を節約」両方のメリットを実現してみてください。